塗装のうんちく
塗装のうんちく
焼付け塗装とウレタン塗装の違いについて
お客様のご質問で
焼付け塗装ですか?
という質問があります。が、
現在自動車補修塗装の分野で
焼付け塗装をしているところは
ほとんど無いのが現状です。
焼付け塗装というのは、
自動車メーカーの新車製造
塗装ラインで使用されています。
その焼付け塗装とは、
塗装後120〜150℃で塗料を
硬化反応させます。
120〜150℃という高温ですから
樹脂パーツや電子基盤等が
車に組み付けてある状態の車では
熱で配線の被覆とか
樹脂部品が溶けてしまいます。
そういった意味で、
焼付け塗装は時間やコストから
我々が行う補修する用途には
適していない塗装なのです。
まずは焼付け塗装とウレタン塗装と
ラッカー塗装の違いとは?
まずラッカー塗装。
これは他の二種類とは全く異なり
塗膜が乾燥するときに科学反応は
おこらずただ単に樹脂の中にある
溶剤が蒸発するだけです。
したがって乾燥した後でも
シンナーで溶解してしまいます。
ラッカー塗装直後は樹脂、顔料、
溶剤が混ざり合っています。
乾燥するにつれて溶剤だけが
抜けて硬化します。しかし
分子レベルでの結合は無いために
溶剤で溶けてしまうわけです。
ホームセンターやカー用品店で
売られている補修用のカンスプレーは
ほとんどがこのタイプです。
これらで補修した車を当社で
再塗装をする場合、
前にラッカーやエナメルなどで塗ってあると
上に塗る塗料の溶剤分で塗膜が侵されて、
塗膜のちぢみが発生する可能性が高くなります。
これを防ぐには、2液サフェーサーという
下地用の塗装を塗って隠してしまうか、
気長にシンナーで落としてしまうという
工程が必要になり、もちろん工賃費用も増えます。
以上がラッカー塗装の特徴です。
次は焼付け塗装と
ウレタン塗装についてです。
両者ともに反応型の塗料ですが
焼付けは熱重合型、
ウレタンはニ液重合型といい
ともに化学反応により架橋され
三次元の網目構造を形成します。
このときの網目構造が緻密なほど
塗膜の性能はよくなります。
両者の特徴は
熱重合型 いわゆる焼付け塗装です。
120〜150℃の高温に加熱する事により
ほぼ完全な塗膜が形成され架橋密度も高い。
熱を掛けなければ硬化する事は無いものです。
塗装後、溶剤と樹脂が混ざり合った状態から
溶剤分が抜けます。
そして120〜150℃熱を掛けることで、
分子が結合して網目構造を作り硬化します。
次に、ニ液重合型
ウレタン塗装がこれです。
硬化剤に含まれるイソシアネートが
主剤と反応してウレタン結合という
網目構造を形成する事から
ウレタン塗料と呼ばれています。
常温でも反応するが時間がかかるために
加熱して反応を促進させます。
加熱するというところから
焼付け塗装と混同されている
方もみえるようです。
熱重合の120〜150℃×20分に比べ
60〜70℃×20から60分ぐらいで硬化します。
塗装直後、樹脂、硬化剤、溶剤が混ざり合っています。
塗装直後、溶剤分が抜けていきます。
その後に硬化剤と樹脂が反応して
網目構造を成型します。
ウレタン塗料についてもう少し補足すると
硬化剤の比率によって
作業性や塗膜性能が変わってきます。
ニ液重合型塗料の主剤:硬化剤割合は
10:1、4:1、2:1の三種類です。
基本的には硬化剤の量が多いほうが
架橋密度は高いのですが、
必ずしも硬化剤の多少だけで
判断は出来ないので以下の事は
傾向として理解してください。
10:1というのは俗に言う速乾ウレタン、
小さな範囲の補修や、
熱乾燥設備が整っていない場合によく使われます。
コストが安い事もあり、
フランチャイズ補修店やガソリンスタンドなどの
安い価格の軽補修などによく使われています。
10:1は熱を掛けなくてもある程度の硬化が
期待できるよう設計されている場合が多く、
作業性は良いとされていますが
架橋密度は他の反応型の塗料に比べると
低く塗膜性能は相当劣ります。とはいえ工程、
配合さえ間違えなえれば再補修もできます。
次に
4:1と2:1についてですが、
それだけではあまり性格付けがしづらく、
メーカーの考え方等でラインナップされています。
10:1に比べると一定までの乾燥は遅いのですが
締まりきり(ほぼ完全な塗膜になる事)は
加熱設備さえあればこちらの方が早く、
塗膜性能における、耐久性、仕上りなど、
全てにおいてメーカーの焼付け塗装に匹敵します。


