7月, 2007

修理費がそれなりに違う理由

板金修理での
お客様の要望は
いろいろとあります。

簡単な修理の例えで
上の写真のような
ドアの修理費はどれくらい
かかると思われますか?
例えばカーディーラーなどでは、
部品の利益が4割前後、修理も
できるだけ部品交換したほうが
技術的に簡単だし、部品、工賃と
全てに儲かりますから
ドア交換修理を薦められ、
新品ドアパネル約35000円
交換工賃    約13000円
塗装工賃    約38000円
合計        86000円
となるでしょう。
仕上がりはベストでしょうが、
お財布と環境に厳しい選択でもあります。
次に交換しないで修理し
できるだけ良い仕上がりになると
ドア板金工賃     15000円
付属部品脱着工賃  3000円
塗装工賃       38000円
合計          56000円
となります。
仕上がりも良く環境にやさしい選択です。
次に
自損修理や下請けの仕事で
よく問われる話で
「どのくらい安くできる」と
いうような財布にやさしい
安い修理費を望む場合の
修理工賃の算出です。
このドアが仮に
高級外車だったとしても
修理費合計金額は
3万円でも2万円でも
仕上がり条件が
事故直前の状態にもどす
ではなく、「それなり」の
仕上がりでいいという
修理内容であることを
納得していただいた上でならば
問題なくやれます。
(うちはそれなりはどこかの
激安板金店以上です。)
それなりというと
高飛車にとらえられる
でしょうが、ほとんどを
機械で作る大量生産品のような
商品が同じ品物なら
安い方がお得です。しかし、
商品の板金塗装は手作業です。
作業工程も時間も同じで、
同じ仕上がりをただ
安くしたら利益が出ません。
なので安くを一番に求めると
時間を短くすること
作業をはぶくことになります。
もちろん安全性に問題が
でない部分です。
例えば調色をデーターなままで
微調色しないとか、
できるだけ作業範囲を最小にするとか、
板金をそこそこで終えるとか
磨かないとか、納車引取りしないとか、・・・
板金修理の一時間あたりの工賃は、
基本的に約6000円です。
「えー高い」と思われる方も
いるでしょうが、全てが
安いと思われがちの
ガソリンスタンドの手洗い洗車も
10分1000円ですし、
マッサージなども大体10分1000円です。
大体この6000円工賃単価が多いようです。
どこのサービス業も
この工賃単価の条件で
安さの追求が最終的な仕上がりに
表れると考えていいのかもしれません。
例えば2万円の修理サービス料とは
一人前の技術を持った作業者が
3時間20分の時間内の作業となります。
技術があれば実質の工賃単価は上がるし
技術が低ければ実質工賃単価は下がるわけです。
というように安くなるのには
それなりにはそれなりの理由があり、
理由がなかったら慈善事業で
会社はなりたたないのですから。

格安板金修理 (L200S ダイハツミラ編)

交差点事故で左側突されたダイハツミラです。

平成4年式の走行距離は少ないが古い車.。
車両保険に加入していなかったため
保険からの修理費はゼロ。
車は最近車検を取ったばかりで
調子はいい。ということから
できるだけ安くして欲しいと
依頼された。

左フロントドア交換
左リアドア交換
左センターピラーも損傷入力
左リアタイヤハウス部入力
リアフロアにも損傷入力
左リアフェンダー先方部損傷を
保険修理のように事故直前の
状態にもどすという修理費を
見積もると総額30万円を超えてしまう。

そこで、美観や耐久性に問題なく
安全に走り、雨漏りしなければ
オーナーはO.Kだという事で、
きちっとフレーム修正を行い、
中古パーツを使い、
美観や耐久性に問題ない
細かい箇所の修理ははぶいていった。
その修理工程の結果、
修理費総額15万円以下に収まり、
なんのクレームもなくこのオーナーは
今日も乗っておられます。
環境にやさしく、お財布にやさしい
板金修理というわけで、
めでたしめでたし。

アクアミカクオーツガラスコーティング 1(撥水型と親水型)

撥水親水の仕組みは、水と油の関係を想像
すると分かります。

撥水効果を出しているのは一般的に油性分で
水をはじくかわりに油分つまり落ちにくい頑固
な油分との汚れとは逆になじみやすい性質が
あります。撥水系のコーティングはこの厄介な
汚れが付着しやすく、また静電気を帯びやす
いため大気中に浮遊している様々なチリや
ホコリ等を吸い寄せてしまう性質があります。
このため、水滴や有機成分が流れた跡などに
汚れやホコリを含み乾燥後は汚くなるケース
が多いのです。

これに対し親水コーティングは逆の効果があ
り、付着しやすい汚れは水性のものであり、
落ちにくい油性の汚れは寄せにくい性質があ
ります。さらに親水コーティングは、コーティン
グ面にかかった雨や水は水滴にならずに広が
るので、レンズ効果や酸性雨によるクレーター
など大きなトラブルが起きにくいのです。また
親水塗膜は水がかかると自己洗浄(セルフクリ
ーニング)作用を発揮して汚れを流します。

初期段階では雨程度、汚れが目立ってきた段
階でも水洗い程度で落とせます。
多少汚れても雨上がりの後は表面の汚れが
洗い流されて光沢が復活します。

アクアミカクオーツガラスコーティング(親水タイプ)

アクアミカとは
「パーヒドロポリシラザン」と言う独自物質が、
大気の水分と反応してシリカガラスの転化
することを利用しています。
アクアミカは主成分パーヒドロポリシラザン
(常温・低音焼付け成分タイプ)により構成
されています。
形成された膜は無公害の無機質なシリカ
ガラスです。償却されても、埋められても
(金属とともに)溶解されても問題ありません。
また、防汚機能により洗剤やワックスなどの
石油化学製品や水の使用量を削減すること
につながります。21世紀の新しいコーティン
グとして期待されています。
アクアミカクオーツガラスコーティングの
メカニズムは、
パーヒドロポリシラザン{SiH2NH}
が水分{H2O}と酸素{O2}と反応し
シリカ(石英ガラス){SiO2}の膜を形成します。
半導体など各種電子部品のコーティング剤と
して実績あるポリシラザンが空気中の水分と
反応して完全無機のコーティング膜を形成す
性質を応用。常温で表面硬度、平滑性、親水
性に優れたコーティング新素材です。

塗装のうんちく 調色

25年前は調色のデーターも少なく、
塗装する色もソリッドカラーとメタリックという程度
の違いしかありませんでした。
今は3コートパールのように工程から違う物、
特殊顔料も調色データーも数え切れないぐらいです。
クリヤ一つとっても対擦傷性クリヤ、フッ素クリヤ、浸水クリアー
等々色んなものが出てきています。
追々紹介していくとして今回はスタンダードに
メタリックカラーについてお話します。
 
調色で難しい色は何?と聞かれる
今はシルバーメタリックと答えます。
シルバーメタリックというのは塗料樹脂に
アルミ粉というものです。
そのシルバーメタリックのぼかしが意外と難しいのです。
アルミの粉にも下図のようなさまざまな種類がありがます。
アルミの粉が入っているだけなら同じアルミの粉を使えばいいじゃないか、
と考えてしまいそうですが例えばトヨタで新色が出ると
補修用に塗料の配合割合が通達されてくるのですが、
これが塗料の種類によって配合割合が違うのです。
焼付け、ウレタン、2Kと全て微妙に配合が変わっています。

ようするに100%同じ色は再現不可能です。
その時の塗装条件によって同じ塗料でも
色が変わってしまうということです。
以前新車の手直しをする仕事をしていた時に、
メーカーからラインで使っている塗料を支給されるのですが、
同じ塗料を使っても微妙に色が違ってしまいます。
では何故その様な事が起きるのか?下図を見てください。
メタリックを模式的に表現しているのですが
このようにメタリックの並び方が違うと色が
変わってくることが理解できると思います。
塗料は被塗面に付着してから流展してなじんでいきます。
その間にメタリックが整列していくのですがのそれに掛かる時間や、
その時の塗料の粘度、霧化の状態などによって
整列の仕方が変わって来るために色に変化を生じるわけです。
以上のような事からメタリックの場合メタリックの種類、
並びが色の要素の大部分を占めるために、
例えば塗料メーカーが違ってメタリックの粒子そのものが
違っていたりすると、合わせるのが難しくなるわけです。
ところがこれが配合割合の中でメタリックが半分ぐらいで、
あとは青とか黄色などの原色が多く混ざるほどメタリックへの
依存度が下がるために言葉は悪いですがごまかしやすくなるという訳です。

塗装のうんちく ブースの話

塗装ブースについて。
ブースを形状から大きく分類すると、箱型ブースとカーテンブース、
ブースの空気の循環方式について言うと、自然吸気と強制吸気,
機能面で言えば強制乾燥が出来るかできないかに分かれます。

まず箱型(当社はこのタイプを使用しています)とカーテンブース、
これだけでは塗装することに大きな差はありませんが、
一般的に箱型のほうが吸気方式が強制吸気、
いわゆるプッシュプルタイプを採用しているので、
品質、作業環境ともにプッシュプルタイプが勝ります。
特にほこりによる、ブツの付着については
圧倒的にプッシュプルタイプが有利です。
なぜプッシュプルタイプは品質がよくなるのかといいますと
吸気も、排気もファンにて行います。
自然吸気の場合は、排気のみファンで行います。
するとブースの中は負圧となり、周りのフィルターを
通過していない空気を吸い込みやすくなります。
プッシュプルタイプの場合は吸気、排気ともに
コントロールされていますから、そのバランスを調節する
ことによりブース内を若干正圧に保つことが出来ます。
こうすることによりブースに出入りしたとき等にも
外からのほこりが入り込むことを防ぐことが出来ますし、
より密閉が良いということで、箱型のほうが有利です。

構造的に見て箱型にはもうひとつ有利な点があります。
それは照明、カーテンブースの場合どうしても側面に
照明設備をつけることが出来ずに上からの照明だけになります。
塗装する上で、常に塗装面を観察しながら、
その日の状態を読み、塗りにフィードバックさせることは大変重要で、
均一な塗りをするためには、照明は大変大事な要素となります。
次に乾燥設備、ブースにこの機能がないと自然乾燥を待ち、
その後ブースから出して、強制乾燥をさせるか、
外から温風を吹き込むというやり方をします。
しかしどちらの方法をとっても、乾燥中にぶつが乗る確率が高く、
せっかくブースでブツを少なく塗ったとしても
その後の工程でぶつが乗りやすくなります。
また冬期や梅雨時とかは塗装ののりが悪いのではないか
と良く質問されます。梅雨時はかぶりといって、
塗装した塗料の中のシンナーが蒸発する際に、
結露して塗装表面が曇ったような状態になることを言いますが、
この場合でも乾燥機能があれば、少し温度を上げてやれば
すぐに消えてしまいます。ここで乾燥機能がないと、
外からヒーターを持ってきてあぶったりとかする為に、
やはりブツが乗り易くなります。
でも一番大事なのは作業者の意識です
作業者に向上心がなければ箱型ブースで塗っても良い品質にはなりません
意識が高ければカーテンブースでもそれなりの良い仕事は出来ます。
しかし、どんなに意識が高くても塗装でブースがないようなところでは
塗装の品質など以前の話でしょう。
当社の場合は、月一度のフィルター掃除、
もうひとつブース表面に粘着性の塗料を塗っています。
これでほこりよりも怖い虫が激減しました。
またブースの壁面は蝿取り紙状態です。

塗装のうんちく 磨き

補修塗装における磨きの必要性について。
メーカーで作られる新車は通常磨きの作業は行いません。
ではなぜ補修塗装の場合は磨きが発生するのか。
ひとつは塗装中に乗るほこりなどが頭を出している
ぶつ”と呼ばれるもの、
これはメーカーの場合も全く乗らないわけではありませんが、
ほとんど乗っていません。それでも新車一台厳しい目で見ると
何個かある場合があります。
残念ながら我々の補修塗装の場合はそうはいきません。
当社の場合はプッシュプルタイプのブースを使用して、
定期的にフィルターを掃除、交換したり壁面にコーティングをして
ほこりを吸着するようにしているのですが、
ゴミやほこりの中を走ってきた車が相手だったり、
作業環境のレベルの違いもありと、ブツを無くなることはまずできません。
これを取り除くためには磨きが必要なるわけです。
塗り肌についても、よく塗装屋さんは肌がいいとか悪いとか言いますが、
肌とは塗面の凹凸のことです。
塗装してある表面を見ると細かいみかんの表面のような凹凸があります。
これは新車でもあるのですが、凸凹が大きいとゆず肌といって
よろしくない肌となるわけです。
ゆず肌というのはこのように凹凸が全体的に大きなものを言います。
要因としては、塗料の粘度が高い場合、気温からのシンナー選択で
蒸発が早い場合、塗りこみすぎ、塗布時の霧化が悪い等が考えられます。
鏡面肌というと凹凸の山が非常に低くなりますが、一番きれいに見えるのは
多少肌の残った状態といわれています。
磨き前提の場合には意図的に細かい肌で塗装をして鏡面にしたり、
新車の肌に近づけたりすることもあります。
磨き前提の場合シンナーを多めにしたりするので艶がなくなってしまうことがあります。
全塗装のように広い範囲を全部を均一に塗ることは難しく
どうしても良い部分と悪い部分が出てきます。
それを調整し合わせるために磨きという作業が必要になってきます。
また、全塗装でなくてもたとえばクォーターパネルのように
隣接パネルとの境目のないような場合ぼかし塗装ということをしますが
その場合旧塗膜との境目をわからなくするためにも磨きは必要になってきます。
肌とはちょっとニュアンスが違うのですが、
時々磨いて艶を出すと考えている方がみえるようですが、
実は適切なシンナーを適切にいれ塗り方を間違えなければ、
塗った直後の肌が一番艶があります。
シンナーの選択を誤ったりするとどうしても
溶剤分が抜けるために艶がなくなるものなのです。
塗装膜の磨きも、コンパウンドなどを使いどこまで磨きやり、
仕上げるのかに比例して費用もかかります。
よって補修塗装は磨きあげる作業でコストが左右します。
塗装面処理の専門のコーティング屋さんとか磨き屋さんの
工数が塗装並みの高価なのも実はこれでなんです。

塗装のうんちく 塗装の不具合とその対処方法

塗装の不具合とその対処方法についてのお話。
塗膜のはがれ
お問い合わせの中でも一番多いのが塗装のはがれです。
結構メーカーは偏るのですが、補修部分の下処理が悪かったり、
上塗りの硬化剤割合不適合などによっても発生します。
これがあるときはまずはがれる部分はエアー等ではがしてしまい、
残った部分の境目を滑らかに削ります。
その上でサフェーサーを塗ってからの塗装となります。
ひどいものだとしっかりと面出しをする必要があります。
チョーキング、塗膜の白亜化現象
塗料の中の、顔料が酸化して起こる、
表面に粉を吹いたような状態になること、
白亜化とも言います。
クリヤコートのされていないソリッドカラーの
白や赤に多く発生するようです。
補修は程度にもよりますが、表面を削って
上塗りでOKな場合が多いですが、
サフェーサーを塗ってからの塗装がベターです。
ブリスター・塗膜の泡吹き
補修暦のある車に時々見られます。
基本的には水分、油分など異物が入っていて
その部分から層間剥離をおこして
塗膜が持ち上げられてしまいます。
補修は原因となるところまで削り、多くの場合は
パテとサフを入れて塗装と言うことになります。
ウォータースポット、鳥粉、黄砂
最近は酸性雨や黄砂交じりの雨等塗膜に対して
攻撃性の強いものが増えてきました。
いずれも長時間放置しておくとかなり深く浸透していく
場合が多いので注意が必要です。
程度によってサフェーサーを入れて修正します。
クラック、塗膜のひび割れ
文字通りひびが入るのですが、洗車機の傷かなと思うものから、
地割れのようなものまで程度は様々です。
軽いものでもサフェーサーを入れたほうが良く、
ひどいものは剥離が必要になったりします。
やせ 艶引き
補修暦のある車で下地処理が悪く溶剤分が
抜けきっていないうちに次工程に進んだときなどにおきます。
またパテをつけた部分がやせてしまう場合はパテやせとも言います。
サフェーサー処理を必要とすることが多い。
以上、今までお引き受けした仕事の中で、良く見られた、
また下地処理を必要とした不具合をあげて見ました。
不具合と言うのは、見た目の割りに処理が簡単だったり、
大したことのなさそうな処理が大変だったりと言うことが良くあります。
あなたの愛車は大丈夫ですか?

塗装のうんちく 2コート・3コート

2コートとか3コートってどう違うの?と言った質問です。
簡単に言ってしまうとコート数は何色種類の
上塗り塗料を何回塗るのかという事になります。
このとき下地処理の塗装は含みませんので、
上塗りだけのカウントとなります。
レクサス・レジェンド等で7コートとか
言っていますがこれは下塗りから
全てカウントしての数です。
ソリッドコート
色のついた上塗り塗料だけ塗ることです。
(一回と言っても塗装自体は2回から3回重ね塗りをしますが)
顔料やが露出しているので色は鮮やかに写りますが、
紫外線などよる劣化や色あせしやすいという欠点があります。
2コートソリッド及びメタリック塗装は、
着色塗料とメタリックで色を作り、
クリヤで艶を出します。
ソリッドのみを塗れば2コートソリッドの出来上がり
紫外線などによる劣化や色あせに強くなります。
3コートパール塗装といえばよく言うホワイトパールというやつです。
ホワイトパールの場合最初にソリッドカラーを塗って
その上に半透明のパールマイカのみを塗装し、
クリヤでつやを出します。
今では当たり前のように使われていますが、
白にきらめきを与えるという画期的な方法でした。
この他に赤や黄色などでも色の隠ぺい力が弱いものなどには
近似色を下色として塗ったりする場合もあります。
この場合は隠蔽を補うという意味合いで使われますが
中には下色からパールが入ってその合成色という場合もあります。
特殊なところではラメ塗装もこれに入ってきます。
構成としては同じなのですがキャンディーカラーの場合は
基本的に最初にメタリックシルバーを塗り、
次に半透明のカラークリヤーを塗って
その合成色がキャンディーカラーとなります。
キャンディーの場合は染料系、いわゆるインクです。
これがあの鮮やかさの秘密、しかも3コートの構成とする事によって
立体感のある色が作られるわけです。
上記の場合はコート数を増やすことによって
合成色を作り出すことを目的としていましたが、
同じコート数でも4コート2ベークとか5コート2ベークと言って
途中に乾燥を何回入れるかによってのわけ方もあります。
ベークは乾燥の事ですから5コート2ベークといえば
5コートするまでに途中一回乾燥をさせて中砥ぎし、
クリア塗装全て塗り終わってから
もう一度乾燥をかけるという塗装工程になるのです。

塗装のうんちく

塗装のうんちく
焼付け塗装とウレタン塗装の違いについて
お客様のご質問で
焼付け塗装ですか?
という質問があります。が、
現在自動車補修塗装の分野で
焼付け塗装をしているところは
ほとんど無いのが現状です。
焼付け塗装というのは、
自動車メーカーの新車製造
塗装ラインで使用されています。
その焼付け塗装とは、
塗装後120〜150℃で塗料を
硬化反応させます。
120〜150℃という高温ですから
樹脂パーツや電子基盤等が
車に組み付けてある状態の車では
熱で配線の被覆とか
樹脂部品が溶けてしまいます。
そういった意味で、
焼付け塗装は時間やコストから
我々が行う補修する用途には
適していない塗装なのです。
まずは焼付け塗装とウレタン塗装と
ラッカー塗装の違いとは?
まずラッカー塗装
これは他の二種類とは全く異なり
塗膜が乾燥するときに科学反応は
おこらずただ単に樹脂の中にある
溶剤が蒸発するだけです。
したがって乾燥した後でも
シンナーで溶解してしまいます。
ラッカー塗装直後は樹脂、顔料、
溶剤が混ざり合っています。
乾燥するにつれて溶剤だけが
抜けて硬化します。しかし
分子レベルでの結合は無いために
溶剤で溶けてしまうわけです。
ホームセンターやカー用品店で
売られている補修用のカンスプレーは
ほとんどがこのタイプです。
これらで補修した車を当社で
再塗装をする場合、
前にラッカーやエナメルなどで塗ってあると
上に塗る塗料の溶剤分で塗膜が侵されて、
塗膜のちぢみが発生する可能性が高くなります。
これを防ぐには、2液サフェーサーという
下地用の塗装を塗って隠してしまうか、
気長にシンナーで落としてしまうという
工程が必要になり、もちろん工賃費用も増えます。
以上がラッカー塗装の特徴です。
次は焼付け塗装と
ウレタン塗装についてです。
両者ともに反応型の塗料ですが
焼付けは熱重合型
ウレタンはニ液重合型といい
ともに化学反応により架橋され
三次元の網目構造を形成します。
このときの網目構造が緻密なほど
塗膜の性能はよくなります。
両者の特徴は
熱重合型 いわゆる焼付け塗装です。
120〜150℃の高温に加熱する事により
ほぼ完全な塗膜が形成され架橋密度も高い。
熱を掛けなければ硬化する事は無いものです。
塗装後、溶剤と樹脂が混ざり合った状態から
溶剤分が抜けます。
そして120〜150℃熱を掛けることで、
分子が結合して網目構造を作り硬化します。
次に、ニ液重合型 
ウレタン塗装がこれです。
硬化剤に含まれるイソシアネートが
主剤と反応してウレタン結合という
網目構造を形成する事から
ウレタン塗料と呼ばれています。
常温でも反応するが時間がかかるために
加熱して反応を促進させます。
加熱するというところから
焼付け塗装と混同されている
方もみえるようです。
熱重合の120〜150℃×20分に比べ
60〜70℃×20から60分ぐらいで硬化します。
塗装直後、樹脂、硬化剤、溶剤が混ざり合っています。
塗装直後、溶剤分が抜けていきます。
その後に硬化剤と樹脂が反応して
網目構造を成型します。
ウレタン塗料についてもう少し補足すると
硬化剤の比率によって
作業性や塗膜性能が変わってきます。
ニ液重合型塗料の主剤:硬化剤割合は
10:1、4:1、2:1の三種類です。
基本的には硬化剤の量が多いほうが
架橋密度は高いのですが、
必ずしも硬化剤の多少だけで
判断は出来ないので以下の事は
傾向として理解してください。
10:1というのは俗に言う速乾ウレタン、
小さな範囲の補修や、
熱乾燥設備が整っていない場合によく使われます。
コストが安い事もあり、
フランチャイズ補修店やガソリンスタンドなどの
安い価格の軽補修などによく使われています。
10:1は熱を掛けなくてもある程度の硬化が
期待できるよう設計されている場合が多く、
作業性は良いとされていますが
架橋密度は他の反応型の塗料に比べると
低く塗膜性能は相当劣ります。とはいえ工程、
配合さえ間違えなえれば再補修もできます。
次に
4:1と2:1についてですが、
それだけではあまり性格付けがしづらく、
メーカーの考え方等でラインナップされています。
10:1に比べると一定までの乾燥は遅いのですが
締まりきり(ほぼ完全な塗膜になる事)は
加熱設備さえあればこちらの方が早く、
塗膜性能における、耐久性、仕上りなど、
全てにおいてメーカーの焼付け塗装に匹敵します。